神馬笛(ジンバブエ)をめぐる冒険

ジンバブエで生活していた時の記録です。

あのー、僕コーラ何本もいらないからお釣りが欲しいんですけど

今日キャッシュレートが1US$=20millionZW$になってました。
いやー早いですねー。
先週の木曜に発行された最高紙幣、出た日は20US$程度の価値があったのですが、もはや5US$程度の価値しかありません。
一週間も経たないうちに1/4の価値になっちゃいました。
新紙幣が出てからの、インフレのスピードすげー。

えーっと、本題に入ります。今お釣りがないのが問題なのです、この国で。

何回も言ってるように先週に新紙幣が発行されました。10millionZW$と50millionZW$、100millionZW$の3種類です。
この3つのうちの10millionZW$紙幣はほとんど流通していません。僕も未だ見ていません。
発行後、ちゃんと流通しているのは50million札と100million札だけです。

で、新紙幣発行前の最高紙幣が1millionZW$札です。この紙幣が新紙幣発行までの主力紙幣でしたが、その総量は新紙幣発行前から十分とは言われていませんでした。

新紙幣が発行され、50million札と100million札が一気に市場に出回りました。
今、その辺の闇両替商に両替をお願いすると、いずれかの紙幣でくれます。
今のレートに対応させようと思うと、1millionZW$札では十分な量を用意できない、というかないからです。
だから僕らは外貨を両替すると、50million札か100million札の紙幣のみでしか、ZW$を受け取れないわけです。

ここで問題が発生します。
すべての価格が50million とか100millionなわけないですよね。
10や20、30millionの物だってあるわけです。もっと細かい単位のものもあるでしょう。(バナナ一本とか)
コーラ一瓶にに50millionZW$(250円相当)も出せないですもんね。
でも僕らが両替や銀行から引き出したZW$で得れるのは50か100million札のみ。
何かを買おうと思うと、必然的にお釣りが必要になります。
でも誰もお釣りなんて持ってないわけです。
10million札は流通してないし、新紙幣発行前から不十分だった1million札が、今この物価で足る訳がないからです。
僕はその辺の物売りから物を買ったり、バスに乗ったりする機会が多いので大変です。

じゃあ買わないか、何個か必要ないものまで買ってなるべく50millionとか100millionに近づけないと、お釣りがないので物が買えないわけです。お釣りを拒否してもいいけど、額によっては結構な損になります。相手に持っている小額紙幣(お釣り)の額を聞いてから物を買わないといけません。
スーパーとかに行けば、いろいろ買えるのでどうにかなりますが、物売りからコーラ1本と携帯のプリペイドカードを買いたいときとかは非常に困ります。
実際、今日コーラ(一瓶15million程度)と携帯のプリペイドカード(15million、表示額は10milionなのに販売価格は15million)ほしくて、10人以上の物売りに声かけましたが、だれもお釣り持ってませんでした。

これから物価が上がり、大体の物が50millionとか100millionで買える額になると、もっぱらの噂です。
そうなると両替レートも上がると思われます。

あー、ハイパーインフレは止まらない。

How to survive in Zimbabwe

今日はこのハイパーインフレの下、人々がどのように生活を成り立たせているのかについて少し考えます。

ちなみに現在のレートは、
チェックレート(RTGS) 1US$=約10trillionZW$(かなりの速度で下がり続けてます。実勢レートに近づいてきました)
キャッシュレート 1US$=約15millionZW$(かなりの速度で上がり続けています)
公式レート 1US$=約100,000ZW$(論外)
です。

現在銀行からの預金引き出し限度額は、個人が100millionZW$で法人が50millionZW$です。月曜日から個人の引出限度額が上がるという噂もありますが、謎です。というか実際キャッシュが足りない状況で限度額だけ挙げても意味はないと思いますが。

このような状況下では、給与をジンバブエドルでもらっている人達には大打撃です。
というのも給料は数ヶ月に一度しか見直されないためです。(例えばある月の給料が100millionZW$(現在7US$相当)でも、その翌月には給料の価値はもはや、US$換算で何ドルの価値があるかわからない。ジンバブエドルの価値がさがるため)。これではどうにもなりません。人々は外貨と物にしか価値を見いだせなくなるが、それもなかなか手に入れられない。
教師や公務員の給与は、最近詳しく知りませんが多くても5US$程度のZW$でしょう。
物価の大半はもはや日本と同程度です。

前置きが長くなりましたが、ではどうやって彼らは生活しているのか?
大きくその要因として二つ上げられると思います。
・海外在住の親戚等からの仕送り
・闇市場で野菜やお菓子、生活必需品等の販売

まず一つ目の仕送りは、比較的経済が安定している南アやボツワナ、ザンビア等に家族(親戚も含む)のうちの誰かが出稼ぎに行き、そこからジンバブエに外貨を送金する方法。

二つ目の闇市場の件は、自分の家の庭で育てている野菜を販売したり、海外や国内の特定の場所に生活必需品を仕入れにいき、それをジンバブエで高値で販売し利益を得るという方法です。この方法で、引き出し限度額を超えるZW$を入手することができる。
これは副業として行っている人が多いです。闇市場に物を横流しする方が、本業よりお金を得る事が出来ます。前述したように給料は低くても、物価の大半は日本と同程度なので。
では何故本業を辞め、このような仕事に専業しないのか?
本業についている限り、少ないかもしれませんが健康保険等の社会保障を得る事ができますし、本業があることで自分の名誉にもつながるのでやめない。闇市場で物を売る事等は、無職扱いされる傾向があるからです。
公式に発表されている、失業率80%という数字にはこのような物売りの人達は含まれていないと思います。

これでは不十分かとは思いますが、このようにして一般人はこのハイパーインフレの中を生きている訳です。
このような事が出来なかったり、手段の無い人の生活が本当の困窮状態であるのは言うまでもありません。

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ジンバブエ最大級雑貨マーケットの物売りたち。もちろん子供も手伝っています。
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ジンバブエ最大級衣料品マーケットで。これはほんの一部。くわえているのはフリージットと呼ばれるチューペットのようなもの。筆者の現在の重要な水分摂取源。

今週の酷さ

「この国はもう終わりだ」と言い続け、早2年。
なんかこの国ずっと存在しています。なかなか終わりません。
僕が過ごしてきた2年の間、これ以上堕ちることはないだろうと思いつつも、ずっと衰退し続けています。僕が初めてジンバブエの地を踏んだその瞬間が、この国の一番いいときで後は堕ちていく一方です。

でも今週はひどかった。
今週始め、1US$=2millionZW$だったキャッシュレートは、新紙幣発行後どんどん上がり、昨日の時点で1US$=15millionZW$までになったという話。
今週だけでレートが7倍以上になりました。物価も連動しています。
急激なレートの上昇に一般市民はついていけません。とくに外貨を全然持ってない人達はどうしようもない。両替レートがあがろうと、彼らの給料はすぐにはあがらないので。
銀行から100millionZW$おろせるようになったとはいえ、その価値はすぐに、1US$程度にまで落ち込むでしょう。実際どれだけ並んでも銀行からお金を下ろせない事も多いみたいですし。

他にRBZ(Reserve Bank of Zimbabwe)の人達のコラプション(腐敗、汚職)もこのレートの上昇に一役買っていそうです。
新紙幣発行の日、街の闇両替ディーラー達は朝の時点で新紙幣を持っていました。街を見渡せば銀行に長蛇の列が出来、お金の到着を待っている人がいるのにです。
彼らはどこから新紙幣を手に入れたのでしょう?答えは明白です。
RBZの人や政治家(おそらくZW$を自由に手にする事が出来る人達)が、彼ら闇ディーラーを使ってUS$を手に入れようと、彼らに市場に出すべきではないZW$の新紙幣を渡しているのです。そして両替させている。
これでは無為に市場に新紙幣が出回り、レートが上昇する事は火を見るよりも明らかです。

偉い人達がこんなのやってたら、やっぱこの国上手く行きません。
結局金を持ってる奴らが、より多くの金を手に入れ、格差は広がる一方です。

この国の格差は、日本の格差社会なんて目じゃありません。
コレラだってちゃんと栄養をとって、抵抗力のある金持ちが感染するような病気じゃありません。
いつだって被害者は、所得の低い層です。コレラでもインフレでも。

とにかくひどいです、この状況。
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